町会長にきいてみた!

本事業では各学校・幼稚園の通学区域別に「ランPAT 2.0」のおすすめランニングルートを紹介しています。
防犯に加えて「令和時代の夜回り火の用心」として、まちを知ることは大切です。
各通学区域を構成する町会長さんに、まちのことをきいてみました。

取材・文:NPO法人センター・オブ・ジ・アーツ 企画制作部

 

京橋地域 第二弾

泰明小学校

通学区域:
銀座一丁目〜四丁目の一部・銀座五丁目〜八丁目
該当町会:
〈日本橋四の部連合町会〉
京橋二の部連合町会・京橋三の部連合町会・京橋四の部連合町会

お話を伺った町会長さん(令和4年3月現在)

京橋二の部連合町会:津田 彰彦 会長
京橋三の部連合町会:南條 勲夫 会長
京橋四の部連合町会:廣瀬 章 会長


写真 左より
津田 彰彦 会長
南條 勲夫 会長

 

2年目のランPAT2.0も各地域2巡目の開催となり、令和3年度最後のランPAT2.0は泰明小学校となりました。
銀座にある公立小学校として有名な泰明小学校は、140年以上の歴史を持ち、特認校として区域外から通学する児童が大勢いらっしゃいます。
なので、泰明小学校の多くの児童は、自身の通う学校の区域を遊び場としません。

銀座を通学区域とする泰明小学校のランPAT2.0は、これまでとひと味ちがう展開となりました。

 

日本を代表するまちとして国際的にも認知される「銀座」。
銀座という名の由来は、銀貨の造幣、管理をおこなう地であったこととされ、徳川家康の江戸入りに伴い江戸前島を埋め立てて誕生したまちです。

明治初期の大火を契機に煉瓦のまちとして蘇ることで、文明開化の時代の中で大きな発展をみせていきます。

大正13年には、銀座初の百貨店も登場し、流行の先端が集まる憧れのまちとして、日本中にその名を轟かせました。

服部時計店(銀座四丁目交差点)明治40年代初め
写真提供:ギンザのサヱグサ文化事業室

大正12年の関東大震災から驚異的な早さで復興し、カフェ文化全盛期となる昭和初期には、舶来品を身に纏うモボ・モガ(モダンボーイ、モダンガールの略称)がまちを闊歩しました。

写真提供:ギンザのサヱグサ文化事業室

戦争での打撃は銀座も被るところでしたが、GHQの接収を経て、どこよりも早く華やかに輝きを取り戻すことで、皆がイメージする「銀座」というまちになっていくのです。

銀座大通り 昭和30年代
写真提供:ギンザのサヱグサ文化事業室

高度成長期といわれる時代の1971年の銀座では、マクドナルドの日本第一号店がオープンしたり、中央通りの歩行者天国でカップヌードルの発売プロモーションが仕掛けられたりと、日本全域に向けた情報発信のフィールドとなりました。

写真提供:日清食品ホールディングス株式会社広報部

いにしえの時代よりカフェ文化を牽引し続けてきた銀座は、1990年代になると、あの「スターバックス」や「タリーズコーヒー」がアメリカよりやってきて、第一号店をかまえることになります。

そんな銀座は多様な商業のまちであり、大勢の人にとって活発な社交のまちです。

この度のランパト2.0交流会議でもその点が伺えました。

 

 

会議でお話をお伺いした、京橋二の部連合町会の津田彰彦会長も、生まれも育ちも銀座四丁目という、まちのリーダーのお一人です。

 

銀座四丁目といえば、和光の時計台をシンボルとする、まちの中心でもあります。

和光(服部時計店)銀座四丁目交差点 昭和8年頃

碁盤の目状に区画整理がされたまちの中心は、日本はもちろん、世界各国の名店が立ち並び、三越や松屋などの老舗百貨店には多くの人が集います。

そして、各町会の連合会(京橋二の部連合町会・京橋三の部連合町会・京橋四の部連合町会)をはじめ、通り会(銀座通連合会・銀座すずらん通り商店会・銀座六丁目すずらん通り会・銀座あづま通り名店会・銀座西五番街・銀座西並木通り会・銀座1−4丁目並木通り会・銀座5丁目ソニー通り町会・西銀座通会・銀座数寄屋通り会・銀座みゆき通り美化会・銀座花椿通り会・銀座金春通り会)や、その他の業界団体(銀実会・GSK銀座社交料飲協会・銀座百店会・銀座料理飲食業組合連合会・銀座ギャラリーズ)等で構成された『全銀座会』によって、時代に応じながらまちの格式を守り続けているそうです。

「大銀座まつり」より人気となった『銀座七福神巡り』、歩行者天国の夏の風物詩となった『ゆかたで銀ぶら』など、銀座らしいイベントの開催から、まちの美化や防災などの治安維持まで、幅広く活動されています。

そのような銀座のまちを学区とし、蔦の絡まる趣深い校舎の泰明小学校は、長い歴史の中でまちと共に育ってきました。

泰明小學校内庭
写真提供:中央区立京橋図書館

商業地域として居住者が極めて少数であることもありますが、歴史と共に確立されたブランド性も高く、人気の特認校として学区外児童が多数います。

生まれも育ちも銀座の津田会長。
泰明小学校通学区域のコースをランニングやウォーキングをすることによって、学区外から通学する子どもたちや保護者の方々にとって、まちへの理解が更に深まるきっかけとなればよいと考えていただきました。

 

「パトロール」とは本来、警備を意味しますが、その前提には“見て知る”ことがあります。
パトロールするまちをこれまで以上に知ることで、より効果的に見守ることが出来るのではないでしょうか。

泰明小学校のランニング・ウォーキングのコースは、日本が誇る商業都市「銀座」に根付く歴史や文化を知るきっかけにもなるのかもしれません。

そして令和時代の銀座の発展がますます楽しみです。

津田会長、泰明小学校PTAの皆様、ありがとうございました!