町会長にきいてみた!
本事業では各学校・幼稚園の通学区域別に「ランPAT 2.0」のおすすめランニングルートを紹介しています。
防犯に加えて「令和時代の夜回り火の用心」として、まちを知ることは大切です。
各通学区域を構成する町会長さんに、まちのことをきいてみました。
取材・文:NPO法人センター・オブ・ジ・アーツ 企画制作部
京橋地域 第三弾
明石小学校
通学区域:
入船三丁目・湊三丁目・明石町・築地七丁目
該当する連合町会:
入船三丁目町会
湊三丁目町会
明石町町会
築地七丁目町会
令和4年度最後のランPAT2.0は明石小学校。
コロナ禍も収束を見せつつあった春の節目に、通学区域となる各町会長の皆様との交流会議が実施されました。
明石小学校の通学区域は、入船三丁目・湊三丁目・明石町・築地七丁目といった、各々の特色が少しずつ異なる四町会で構成されています。
同じ町名でも住所によっては、おとなりの小学校通学区域となるそうです。
ランPAT2.0では、通学区域ごとの地域理解につなげていくこともひとつの大きな目標。
交流会議では、各町会の地域性を町会長の皆様がそれぞれ述べながら、注意喚起箇所への意識を高めていきました。
明石小学校は1908年(明治41年)の開校から、関東大震災や第二次世界大戦を経て、時代に応じた様変わりを見せてきました。
この地域もまた、明石小学校の変遷に応じるかのように、歴史を背景とした他の地域にはない点が多くあります。
明石小学校開校より少し遡った明治の初め、1868年に明治政府により開設された「築地外国人居留地」が明石町に在り、かつては煉瓦造りの洋館が建ち並ぶ異国情緒あふれた地域でした。
各国の公使館があり、知識人が多数居住していたことが、慶應義塾大学、立教大学、青山学院大学…等々の発祥地となる由縁でもあります。
関東大震災で崩壊してしまいましたが、明石小学校の校庭に面した「居留地中央通り」の赤煉瓦塀とガス街灯は、貴重なその名残となります。
「居留地中央通り」と「居留地通り」が交わるのが、明石小学校交差点です。
「居留地通り」を挟んで隣接するのが聖路加国際病院の旧病院棟を保存した「第一街区」。
2012年(平成24年)に完成した新校舎は、聖路加と居留地がもっていた趣を感じさせるデザイン性が見受けられます。
歴史を背景に各々の特色を持つ…といえば、神社の催事にも顕著に表れています。
明石小学校の通学区域となる、入船三丁目町会・湊三丁目町会・明石町町会は「鉄砲洲稲荷神社」の氏子地域、築地七丁目町会は「波除稲荷神社」 の氏子となり、それぞれの神社のお祭りを盛り上げ、神社の年間行事にも携わります。
平安時代創建の古社で京橋地域の産土神(うぶすながみがみ)であり、鉄砲洲富士浅間神社が鎮座する「鉄砲洲稲荷神社」と、四代将軍家綱公が荒海に埋め立てを困難としていた築地海面へご神体をお祀りしたことで安泰を得た「波除稲荷神社」、成り立ちからして大きな異なりを感じざるを得ません。
中央区では特に盛んだと謂われる「盆踊り」にも各々の風情があります。
他にも親子での参加が楽しい地域活動にも各々の特色が出ています。
充実した遊具が揃い、子どもたちが集う「あかつき公園」では、中央区の友好都市である山形県東根市より運ばれてきた雪による『中央区雪まつり』が開催され、都会では稀有な雪遊びに興じるため大勢の人が詰めかけます。
コロナ禍で、地域の催事はもちろん、来賓を迎える学校行事もなくなり、各町会が交流する機会が激減していたこの時期、今回の交流会議は、町会の皆様がランPAT2.0に馳せる期待を深く感じる機会となりました。
町会の皆様とPTAの皆様とで注意喚起箇所を意見交換しながら、通学区域全体への理解を深めることで、明石小学校に通う子どもたちの健全育成へと繋げていく。
地域が活性することは、子どもたちのふるさと意識を培うことになり、ふるさとという基盤のもと、子どもたちは将来に向けて大きく羽ばたくことができるのです。
ランPAT2.0へのご理解とご協力に感謝をこめて。
皆様、今後とも宜しくお願い致します。